【 よろしこ通信 vol.148 】 2016年4月5日

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 ■ 目次 ■

  1. 社長のつぶやき (社長 宮崎敬士)
     第58回 「絶好調の文春ってどうよ」

  2. 取材者の目線 (映像制作ディレクター 加藤健)
     第104回 「最近僕にはテレビは●●●悪い」

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  1. 社長のつぶやき (社長 宮崎敬士)
     第58回 「絶好調の文春ってどうよ」


 ベッキーの不倫、甘利大臣の不正金授受
 清原の薬物問題、宮崎議員の不倫…と
 立て続けにスクープをとばす週刊文春。
 現在、発行部数69万部とダントツの一位である。

 どうして文春ばかり…が。
 と、思っている方も多いであろう。
 その疑問に答えよう。

 実は、タレコミが多いのだ。

 文春は、69万部発行し
 最近はスクープがテレビにも取材されるケースが多いので
 影響力が大きい。

 そうなると「良質なタレコミ」が持ち込まれるのだ。

 もちろん皆、善意ではない。
 このタレコミ、甘利の大臣を辞職にまで追い込むクラスになれば
 かなり高額な「謝礼」が支払われる。
 もちろん雑誌が売れるからだ。

 週刊誌がスクープと称して情報を発信するのは
 もちろん不正を暴くという点においては「正義」である。
 一方、その「正義」とやらは、お金で売買されているのだ。

 この文春のスクープのおかげで
 失業している人もいるであろう。
 しかし一方では、多額の謝礼を受け取って
 儲けている人もいるのだ。

 この正義って、本当に「正しい」のでしょうか?

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  2. 取材者の目線 (映像制作ディレクター 加藤健)
     第105回 「最近僕にはテレビは●●●悪い」


 我が家はハードディスクレコーダーなので、
 いずれ見ようと思った番組はとりあえず録画しときます。

 去年の年末、「長嶋茂雄の真実」という
 ドキュメンタリー番組を録画しました。

 どんな内容かはわからずにただ面白そうだと思って録っていたんですが、
 それを先日見てみました。

 番組が始まると公園の木々の景色が映り、
 「ほいっ、ほいっ、ほいっ、ほいっ!」という声が聞こえてきます。

 それはトレーナーと一緒にかなり早い速度で歩く長嶋さんでした。

 彼は12年前に脳梗塞になりマヒが残っています。
 医者は将来残るマヒをかなり重く見ていましたが、
 持ち前の努力でリハビリに取り組み予想以上の回復を見せました。

 番組はこの超人的ともいえる今の長嶋さんの姿を紹介するものだったのです。

 ところが、僕は始まって10分くらいで見るのをやめてしまいました。

 長嶋さんがすごいのは良くわかるんですが、番組はあまりにも
 「長嶋はすごい」「超人的な努力」「普通ならここまでやらない」・・・
 などの言葉にあふれていました。

 ここから先、僕の考えはうまく伝わるか分かりませんが、
 最近僕はテレビが発信する「価値観」にとても敏感になっています。

 この番組でいえば「長嶋は絶対的にすごい」わけです。

 なんの反論もできません、その通り・・・なんですが、
 テレビの作り手が頭から信じきっている「正しいこと」を
 視聴者に当然とばかりに発信してくるのが
 どうにも気持ち悪くてしょうがないんです。

 屁理屈かもしれませんが例えば脳梗塞でいえば、
 どんなに努力して望んでも長嶋さんほど回復できなかった人たちは
 大勢いるでしょう。

 中には「自分は長嶋ほど到達できなかった人間」と
 感じる人もいるでしょう。

 そんなこと番組の作り手はまったく考えていないだろうし、
 そんなこと言うつもりはまったくないでしょう。

 でも、「絶対的感動物語」として
 「すごい、すごい」を連呼する番組をみていると、
 制作者の意図とは関係なく、そんな気持ちになる人もいると思います。

 別にこれまたいま流行りの「いやな気持になる人のことも考えろ」と
 いうわけではありません。

 そして自分の価値観を持つことは誰しも同じです。

 ただ「自分の価値観は正しい」という思いが透けて見える状態は
 僕には気持ち悪いという話で、
 いまのテレビの多くはその気持ち悪さに満ちていると思っています。